最後の世代

このお母さんキツネは、ここで生まれ育った若い子です。 最初に産む子を育てるのに、自分が生まれ育った場所を選んだのですが、子供は一匹残らず車とカラスにやられてしまいました。

自分が生まれ育った場所は、きっと自分が知る限り一番安全な場所のはずだったのですが、彼女が子供を身籠もる頃たまたまこの場所の前の道が幹線道路になってしまい、交通量が多くなり、また道路際にはハマナスが埋めらていたのだけれど、いつのまにか枯れちゃって、親子が巣穴以外に身を隠す場所も無くなっていました。

今はここで子育てするキツネはいません。

彼女が身をもって体験した『ここは子育てには適さない』という意識が何世代にも受け継がれたから。 と、いうより、『彼女が子育てした場所がここ以外の場合となったので、この場所のようなところが安全な場所として認識されなくなった』というのが正しいところでしょうね。

わたしは子育てしたことはないけど、似たようなところがあるのかな